2011年9月15日木曜日

シリコンバレーから帰国して

日本時間9月13日午後、無事日本に帰国しました。
長かったようで短かった10日間が終わりを迎えたのです。
舞い戻った日本は蒸し暑く、若干の湿度を感じましたが、どこか安心するものがありました。

というわけで、シリコンバレーで学んだことを総括しておきたいと思います。
なお、僕自身の言葉でまとめていきますので、多少語弊があるかもしれませんが悪しからず。


結局何が大切なのか

ざっと並べてみます。

  • ネットワーク
  • チームバランス
  • ビジョン
  • 柔軟さ
  • 健康
  • 失敗を恐れない心


ネットワーク

シリコンバレーの強さの所以は、ネットワークにあると感じました。
いたるところに有名企業があり、優秀なエンジニアが集まっているため、
常に素晴らしい人材を確保することができます。
だから人材は流動的に動き、次々と素晴らしいサービス・製品が開発されているのですね。
また、産学連携も非常に上手く機能しており、Stanford Universityと各企業の繋がりは日本では聞いたことのないほど強固なものでした。

逆に言うと、このネットワークに属していない人間は相手にすらされません。
VCの加藤さんが仰っていたのは、
「紹介でもない人のメールは読みもしない」
というキツイ一言です。
ネットワークが強固なシリコンバレーにおいて、1人の紹介も取り付けられないような人は評価に値しないというお話でした。

ネットワークの強力さと重要性を認識した10日間と言っても過言ではありません。


チームバランス

起業をする場合、チームバランスには大変気をつけるべきだということを学びました。
出来れば異分野の人とチームを組み、それぞれの人材が相手の不得意分野をサポートすることが大切とのことです。
スタートアップを行う場合、資金的な問題もあり、初めは少数精鋭でいくしかありません。
その状態にもかかわらず、やるべき事は山積み。
なら分担して上手くやっていく必要性があるでしょう、というお話。

また、同分野の人間ではなく、異分野の人と組むことで多くの視点から物事を捉えることができ、
アイディアが強固なものになっていくということでした。
同分野の人と組むと居心地が良いあまり、詰めが甘くなりやすいという話が特に心に残っています。

エンジニア同士が組む場合はクライアントサイドとサーバサイドを分けるのが最も成功率の高い組み合わせだそうです。
現在私が取り組んでいる活動ではこの分担が上手くいっているように思えます。
ただ、サービスを展開する市場に関する知識が不足していますので、それを補うのが私の次の仕事です。


ビジョン

起業に際して非常に重要なものの1つにビジョンがあります。
ただビジョンを掲げればいいということでもなく、それをチームで共有していくことが大切とのことです。
ビジョンそのものや、共有が上手くいっていない場合、
サービスを開発していく段階でコアな部分がぼやけてしまったり、
展開する段階でポジショニングが狂ってしまうなど、恐ろしい弊害が生まれるとのことです。
特に少数でのスタートアップではパワーが不足しがちなので、
如何にしてそのリソースをコアな部分に向けていくかが大切になります。
これを成し遂げるためには全員が「何が大切なのか」「何を目指しているのか」を理解している必要があるんですね。


柔軟さ

アイディアやチームメンバーはどんどん変わっていくものだということもシリコンバレーで学びました。
GoogleやAppleを初め、今現在大企業として活躍しているところも
当初の案とは大分離れた内容で事業展開しているケースが殆んどだそうです。
なので、「私たちはこのプランで行く!」と意気込むのではなく、物事を柔軟に考え、
ニーズや開発現場などを踏まえながら次第に変えていく事が重要とのことです。

ただ、アイディアを変えるにあたって大切なのは「ビジョンとずれていないか」です。
当初想定していたポジショニングが狂ってしまうと、アドバンテージが活かせなくなったり、
コアな部分がぼやけてしまったりするのは前述したとおりです。
なので、
「ビジョンを達成するとために、サービスが形を変えていく」
という状態が理想とのこと。


健康

「体が資本」という言葉をシリコンバレーでも耳にするとは思ってもいませんでしたが、やはり健康が大切とのことです。
エンジニアが倒れてしまった場合、プロジェクトは頓挫し、最悪倒産へと繋がってしまいます。
それを防ぐために、自身の体こそ最もエンジニアリングするべきだとのことです。

そのためか、シリコンバレーで働く人々はジムに通っている割合が相当高いとのことで、
街中にもテニスコートやプールなどのレジャー施設が散見していました。

このことにも若干関連するので、メリハリを付けることの重要性。
シリコンバレーのエンジニアは仕事が残っていても夕方には一旦仕事をやめ、
テニスやランニング、ジムなどで汗を流すケースが大変多いそうです。
そうして自身の体をエンジニアリングすることに加え、リフレッシュすることで、夜に作業を再開しても効率が良い状態をキープできるそうです。
私たち研修生もこれに倣い、ワークショップが中途半端な段階であっても強制的に中断し、
テニスやプールに繰り出しました。
そのことで心身ともにリフレッシュ&リラックスすることができ、その後深夜まで続くワークにも全力で取り組むことができました。


失敗を恐れない心

シリコンバレーで学んだことで特に羨ましいと思ったのが
「失敗してもOK、むしろプラスに働く」という環境です。
日本では「一度失敗すると立ち上がれない」というイメージが強いのですが、
シリコンバレーではスタートアップに失敗した人も借金を負うことなく、次のプランへと動き出すことができます。
驚いたことに、失敗したプランに投資していたキャピタリストやエンジェルが最投資する例も稀ではないそうです。
というのも、「失敗は成功の父である」という考えが根強いらしく、何もしていない人よりも失敗を経験した人のほうが次に成功する確率が高いと思われているとか。
キャピタリストやエンジェルの方も「投資」として資金を提供しているので、失敗した際も「返せ」とは言わないそうなので、銀行からの「融資」がスタートアップ資金となるケースの多い日本とは環境が違うのですね。

僕も失敗を恐れず、次のステップへと進みたいと思います。
失敗したらシリコンバレーにでも行きます。


ということで、サクっとまとめてみただけでも
「多くのことを学んだ10日間だったんだなぁ」
ということが分かって頂けたかと思います。
ここに書き切れなかったことも、当然ながら大量にありますので、
あとはそれらの経験を活かしながら開発を進めていく私たちのサービスに期待してくだされば幸いです!





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